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グラフでみる人口で補正した年代別・都道府県別新規感染率

著者

COI(利益相反)

(2022年11月18日更新:第14版)
(2022年7月22日寄稿:初版)

注:この記事は、有識者個人の意見です。COVID-19有識者会議の見解ではないことに留意ください。

COVID-19パンデミックの第8波の到来が明らかになった。本欄では、2022年10月18日までを第7波、それ以後を第8波と定義した。さらにHER-SYSのデータを、厚生労働省公表の週別の年代・性別新規陽性者数 (https://covid19.mhlw.go.jp/)と総務省統計局の2020年国勢調査による年齢別人口(https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka.html)および2021年の人口推計(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/index2.html#suikei)に基づいて整理した。すなわち人口10万人当たりの年代別・地域別新規感染者、入院治療等を要する感染者、死亡者数の経時的変化、都道府県比較などをグラフで表示した。なお新規死亡者数は累積死亡者数の差に基づいている(解析と図の作成は、大林千一自治医科大学客員教授による)。

HER-SYSは入力の煩雑さのためはなはだ不評であるが、感染の全体像を把握し、研究者がデータを加工するうえで極めて有用である。なお年代別かつ男女別新規陽性者数は,9月14~20日までの分をもって公開が終了した。年代別の総数は引き続き公開されているが、一時期データが変動したため、解釈には注意が必要である。

年代別・地域別新規陽性者数から見える課題

1.第8波における感染地域のシフト

第7波では西日本、とくに沖縄における感染者が多かったが、第8波では北海道を筆頭として東日本の感染者の増加が明らかである。第7波で非感染者が少なかったことが、第8波における流行拡大の背景にあるのかもしれない。
第8波の感染者は、20才未満の若年世代が相対的に多い。しかし第6波や第7波ほど若年世代に集中しているわけではない。

2.感染流行と確保病床利用率の推移

(「各都道府県の人口当たり確保病床数と確保病床使用率」を参照

第5~7波においては、流行毎に感染者数も確保病床も異なっていた。しかし確保病床の利用率のピークは、いずれの流行でも約60%と一定である。病床利用率60%は医療崩壊寸前であり、このレベルに到ると感染対策が強化されることによって、流行が下火になる可能性が考えられる。このことは、医療逼迫状態を指標として、政府がコロナ対策を講じていることとよく一致する。第8波では、すでに利用率が50%を超えた県もあり、今後の変化が注目される。

3.女性の感染率

第7波の特徴は20歳代、30歳代、40歳代、50歳代において男性よりも女性の感染率が高い点にあった(9月20日時点:20歳代 11.7 vs 12.5%、30歳代 10.8 vs 11.9%、40歳代 8.6 vs 9.6%、50歳代 6.7 vs 7.2%)。残念ながら9月末に全数調査が中止された後は、男女別の感染者が不明となった。

4.死亡者数の地域差

第7波(6月22日~10月18日)と第8波(10月19日~11月18日)における人口10万人当たりの死亡者数を比較すると、第7波では西日本が高かったが、第8波では北海道・東北地方が高い傾向がある。

北海道・東北地方 10.3 vs 4.3(第7波 vs 第8波)
関東地方10.3 vs 1.2
中部地方 9.8 vs 1.4
近畿地方 13.6 vs 1.5
中国地方 11.2 vs 1.5
四国地方 16.5 vs 1.6
九州・沖縄地方 17.6 vs 1.4

都道府県の死亡者数に関わる要因分析は、これから詳細な解析が必要であるが、各地域のワクチン接種率との相関が明らかである。9月7日までの第7波における死亡者と新規陽性者の比を計算してみると、高知県と福島県はそれぞれ263.5と20.9と、約13倍の差があった。地域のワクチン接種率以外にも、新規陽性者数の把握、新型コロナウイルス感染による死亡者の定義、感染者の年代、基礎疾患、高齢者施設におけるクラスタ発生などについても分析しないと原因を推測することはできないが、試みに都道府県の高齢化率、高齢感染者の割合、人口当たりの病床数、医師数、看護師・准看護師数との相関をプロットしてみた。その結果、新規陽性者数に対する死亡者の比は、地域の高齢化率や高齢者の感染率の高い県で上昇していた。また、人口当たりの病床数が多く、1病床当たりの医師数や看護師数が少ない都道府県ほど高い傾向にある。この傾向はCOVID-19に限らず、2020年の標準化死亡率でも同様である。死亡率の違いに関しては、それぞれの地域の事情を含めた分析が重要である。

都道府県比較

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累積新規陽性者数
累積死亡者数
累積新規陽性者数第1-2波
累積新規陽性者数第3波
累積新規陽性者数第4波
累積新規陽性者数第5波
累積新規陽性者数第6波
累積新規陽性者数第7波
累積新規陽性者数第8波
累積死亡者数第1-2波
累積死亡者数第3波
入累積死亡者数第4波
累積死亡者数第5波
累積死亡者数第6波
累積死亡者数第7波
累積死亡者数第8波
新規陽性者数
入院加療等必要者の数
重症者数
死亡者数
65歳以上ワクチン接種
全人口1回ワクチン接種
全人口2回ワクチン接種
全人口3回ワクチン接種
全人口4回ワクチン接種
全人口5回ワクチン接種
全人口ワクチン接種
4回目ワクチン接種率
平均ワクチン接種率
死亡者数計と新規陽性者数計の比
第7波70歳以上の割合
60歳以上人口の相関
65歳以上人口の相関
70歳以上人口の相関
病床数の相関
常勤医師数の相関
常勤看護師数の相関
常勤医師数の相関
常勤看護師数の相関
病床数と死亡率
常勤医師数と死亡率
常勤看護師数と死亡率
常勤医師数と死亡率
常勤看護師数と死亡率
病床数
常勤医師数
常勤看護師数

新規陽性者数とPCR検査実施人数比

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ラグ0日
ラグ1日
ラグ2日
ラグ3日
ラグ4日
ラグ5日

第7波年代別週人口当たり新規陽性者数(0〜49歳)

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第7波年代別週人口当たり新規陽性者数(50歳以上)

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各都道府県の人口当たり入院者数・宿泊療養者数

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各都道府県の人口当たり確保病床数と確保病床使用率

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各都道府県の週人口当たり新規陽性者数

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各都道府県の人口当たり入院治療等を要する者の数

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各都道府県の週人口当たり死亡者数

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