日本医師会 COVID-19有識者会議
8.行政・法・倫理・社会, 意見

新型コロナウイルス感染症に対するレギュラトリーサイエンスの必要性について

近藤 達也Medical Excellence JAPAN 理事長
COI:未確認
注:この記事は、有識者個人の意見です。日本医師会または日本医師会COVID-19有識者会議の見解ではないことに留意ください。

(2020年5月7日寄稿)

新型コロナウイルス感染症に関しては、残念ながらこの現象を俯瞰して考察するレギュラトリーサイエンスが日本に限らず世界的にも甚だ欠落していると考えている。

つまり、関連する要素を好き嫌いではなく隈なくマッピングして総合的に評価科学して、その合理的な評価に基づく統合的な結論により、対応政策を実行していく事が必要だと考えている。

 

まず、新型コロナウイルス感染症を、経気道感染と決めこまず、経口感染、糞口感染の可能性も考慮したほうが良いと考える。

実際、糞便及び尿から非常に高い頻度で活性型のコロナウイルスが検出されたという報告が早くから中国側からもたびたび報告されており、5月3日のNHKのニュースからもダイアモンドプリンセス号における感染研山岸室長の調査報告で、PCR陽性者の滞在した部屋から特にユニットバスのトイレの床からの検出は非常に高かったとされている。

胃酸は確かに大きな障害ではあるが、食べ物と一緒に通過することは可能と考えられる。

肺炎の実態も実際にダイアモンドプリンセス号の乗客・乗員のPCR陽性者の肺炎所見は自衛隊中央病院からのホームページによる報告書を拝読して二次型(つまり、間質性肺炎型)であるであろうと考えている。こういうことは、咽頭などからの検体検出ではこのような患者さんの実態を把握できないであろうと考えている。

 

特に、ダイアモンドプリンセス号での貴重な経験を早急にアカデミックにそしてレギュラトリーサイエンスに基づく科学により真剣に解析し、コロナウイルスの知見を示し、公衆衛生に関する大きな日本からの世界に発信する叡智として欲しいものと考えている。

そして、欧米先進国と日本の感染の広がり方、また、死者の数の相違は何故そのようなことになるのかについて、公衆衛生学的な早急な研究として評価をすることを望んでいる。